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生命保険の選び方|不要な保険を見極めて保険料を月1万円削減する方法

約6分3,291文字

公開 2026.05.11

編集部最終確認 2026.05.11
目次(23項目)

POINTこの記事でわかること

  • 1日本人の平均的な保険料負担は月3万円超で、多くの家庭が不要な保険に加入している
  • 2公的保障(健康保険・高額療養費・傷病手当金)で既にカバーされるリスクは民間保険で二重払いになりやすい
  • 3ライフステージ(独身・既婚・子あり・老後)によって必要な保障は大きく異なる
  • 4見直しの手順を踏めば、保険料を月1万円以上削減しながら必要な保障を維持できる

日本人は保険を払いすぎている?#

生命保険文化センターの調査によると、日本の世帯が年間に支払う生命保険料の平均は約37万円(月換算で約3万円超)にのぼります。この金額は住居費・食費に次ぐ大きな支出であるにもかかわらず、多くの方が「何となく入っている」「勧められたから加入した」という状態のままです。

保険料が高くなりやすい原因は主に3つあります。

  1. 必要以上に手厚い死亡保障をかけている
  2. 公的保障でカバーできるリスクに民間保険を重ねている
  3. 「貯蓄型」保険に加入して高い保険料を払い続けている

保険は「万一のリスクに備えるもの」です。過度に手厚くしても資産を減らすだけになります。今こそ保険の棚卸しをして、固定費を見直しましょう。


生命保険の種類と役割を整理する#

一口に「生命保険」といっても、その種類と役割は多岐にわたります。まずは主要な保険の種類と、それぞれが備えるリスクを整理しましょう。

死亡保険(定期・終身・収入保障)#

被保険者が死亡した際に、遺族が保険金を受け取れる保険です。「誰かを養っている人」にとって最も重要な保障です。

  • 定期保険:一定期間だけ保障が続く。保険料が安く、子育て期間中の家庭に向いている
  • 終身保険:一生涯保障が続く。解約返戻金があるが保険料は高め
  • 収入保障保険:死亡時に毎月一定額を受け取れる。必要保障額が時間とともに減る家庭に合理的

医療保険#

入院・手術をした際に給付金が出る保険です。日本の公的医療保険制度は手厚いため、補完的な位置づけになります。

がん保険#

がんと診断された際の一時金や、入院・治療費を補償します。近年の治療は入院が短く外来治療が中心のため、入院給付日数よりも診断一時金の金額が重要です。

就労不能保険(就業不能保険)#

病気・ケガで長期間働けなくなった場合に毎月給付金が支払われる保険です。死亡リスクよりも就労不能リスクの方が統計的に発生確率が高く、近年注目されています。


ライフステージ別・本当に必要な保険#

保険の必要性はライフステージによって大きく変わります。不要な保険に気づくために、自分の状況と照らし合わせてください。

ライフステージ死亡保険医療保険がん保険就労不能保険
独身(扶養家族なし)不要または最小限△ あれば安心△ あれば安心○ 重要
既婚・子なし(共働き)△ 少額で可△ あれば安心△ あれば安心○ 重要
既婚・子あり(専業主婦/夫あり)○ 必須(多め)○ あると安心○ おすすめ○ 重要
子どもの独立後・老後△ 終活・相続目的のみ○ あると安心○ おすすめ○ 老後まで

独身の方に高額な死亡保険は不要です。 死亡保険の目的は「自分が亡くなった際に残された家族の生活費を補う」ことですので、扶養家族がいない場合は最小限で十分です。

一方で、就労不能リスクはどのライフステージでも見落とされやすい重要なリスクです。病気やケガで3ヶ月以上働けなくなる確率は、死亡する確率よりも統計的に高いとされています。


公的保障で既にカバーされているリスク#

日本の公的社会保険制度は世界的に見ても充実しています。民間保険で同じリスクをカバーすることは「二重払い」になりかねません。

高額療養費制度#

月の医療費が一定額(収入によって異なりますが、一般的な年収の方で約8万円程度)を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。100万円の手術を受けても、自己負担は約8〜10万円に抑えられます。

入院日数が短くなっている現代では、医療保険の「入院1日あたり5,000円」という給付金の意味が薄れてきています。

傷病手当金#

会社員・公務員が病気やケガで連続4日以上仕事を休んだ場合、最長1年6ヶ月にわたって標準報酬月額の約3分の2が支給されます。これは就労不能リスクをある程度カバーします。ただし自営業・フリーランスは対象外のため、就労不能保険の優先度が上がります。

遺族年金#

一家の大黒柱が亡くなった場合、遺族には「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」が支給されます。死亡保険を検討する際は、まず遺族年金でいくらもらえるかを試算してから、不足分を民間保険で補う考え方が合理的です。


不要な保険の見極め方#

公的保障の内容を理解したうえで、以下のチェックリストに当てはまる保険は解約・見直しを検討してください。

解約を検討すべき保険チェックリスト#

  • 扶養家族がいないのに高額な死亡保険に加入している
  • 医療保険の入院給付日数が60日・120日と長く設定されている(現代の平均入院日数は約17日)
  • 貯蓄型(終身・養老)保険に加入しているが、資産形成が目的(利率が低く、iDeCoやNISAの方が効率的)
  • 子どもの学資保険に加入しているが、利回りが低い(現在の学資保険の返戻率は100〜105%程度と低い)
  • 同じリスクをカバーする保険に複数加入している(医療保険を2本持っているなど)
  • 就職・結婚・出産などライフイベント後に一度も見直していない

定期保険 vs 終身保険 vs 収入保障保険#

死亡保険を選ぶ際、どの種類を選ぶかで保険料と保障内容が大きく変わります。

保険の種類保障期間月払い保険料の目安解約返戻金向いている人
定期保険10〜30年など期間限定安い(数百〜数千円)なし(掛け捨て)子育て中・住宅ローン返済中の家庭
終身保険一生涯高い(1〜3万円超も)あり相続対策・葬儀費用の準備が目的
収入保障保険60歳・65歳まで安い(数百〜数千円)なし(掛け捨て)遺族に毎月の生活費を残したい家庭

子育て中・住宅ローン返済中の家庭には定期保険か収入保障保険がおすすめです。 保険料が安く、保険に回すお金を投資(iDeCo・新NISA)に振り向けることができます。

終身保険は「貯蓄性がある」と言われますが、払い込む保険料の総額に対する返戻率が低く、長期的な資産形成の手段としては非効率です。「どうしても一生涯の保障が必要」「相続税対策として活用したい」という明確な目的がなければ、定期保険で代用するのが賢明です。


保険料を月1万円削減するための手順#

以下の手順に沿って見直しを進めることで、多くの家庭が保険料を月1万円以上削減できます。

ステップ1:現在の保険を全て把握する#

まずは加入中の保険を一覧にまとめます。保険証券を引っ張り出して、以下の情報を整理してください。

  • 保険の種類と保険会社名
  • 月払い保険料
  • 保障内容(死亡保険金額・入院給付日数など)
  • 満期・保障終了の時期

ステップ2:公的保障で補える分を確認する#

高額療養費・傷病手当金・遺族年金でどれくらいカバーできるかを確認します。ねんきんネット(日本年金機構)で遺族年金・老齢年金の試算ができます。

ステップ3:ライフステージに合わせて必要保障額を計算する#

死亡保険の場合は「子どもが独立するまでの生活費 + 住宅ローン残高 − 遺族年金 − 預貯金」が目安の必要保障額です。子どもが成長するにつれ必要保障額は減っていくため、加入当初の高額な保障をそのまま維持する必要はありません。

ステップ4:不要・割高な保険を解約または転換する#

チェックリストに当てはまる保険は解約を検討します。ただし以下の点に注意してください。

  • 新しい保険に加入してから旧保険を解約する(保障の空白期間を作らない)
  • 告知義務がある(持病があると新規加入が難しい場合がある)
  • 貯蓄型保険は解約返戻金を確認してから判断する

ステップ5:保険料を比較して乗り換える#

同じ保障内容でも保険会社によって保険料は異なります。保険の一括比較サービスを活用すると、複数社の保険料をまとめて比較できます。


見直しの効果シミュレーション#

見直し前後でどれくらい変わるか、30代・子あり世帯の例で試算します。

見直し前(月額保険料の例)

  • 終身保険(死亡2,000万円):20,000円
  • 医療保険(入院日額5,000円・60日型):3,500円
  • がん保険:2,500円
  • 個人年金保険:10,000円
  • 合計:36,000円

見直し後(月額保険料の例)

  • 定期保険(死亡2,000万円・20年):3,500円
  • 医療保険(入院日額5,000円・30日型):2,000円
  • がん保険(診断一時金100万円):2,000円
  • iDeCo(個人年金の代わりに投資):10,000円(保険料ではなく資産形成)
  • 合計(保険料のみ):7,500円

保険料の削減額:約28,500円/月。個人年金をiDeCoに移行すると節税効果も加わり、さらにお得です。


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よくある質問#

FAQよくある質問

Q独身でも生命保険には入るべきですか?
A

扶養家族がいない独身の方に高額な死亡保険は基本的に不要です。ただし、就労不能保険(働けなくなった際の収入補填)は独身でも重要です。医療保険・がん保険は公的医療保険でカバーできる範囲が大きいため、貯蓄が少ない段階では加入を検討しつつも、まずは貯蓄を優先するのも一つの考え方です。

Q終身保険は解約した方がよいですか?
A

終身保険が「相続対策」「葬儀費用の積立」など明確な目的に沿っているなら継続で構いません。しかし「なんとなく貯蓄になると思って入った」という場合は、解約返戻金を確認したうえで、解約して定期保険+iDeCo・新NISAに切り替えた方が資産形成効率が高くなるケースが多いです。

Q保険の見直しはどこに相談すればよいですか?
A

特定の保険会社に属さない「独立系FP(ファイナンシャルプランナー)」への相談がおすすめです。保険会社直属のFPは自社商品の販売が目的のため、中立的なアドバイスを得にくい場合があります。有料相談(1〜2万円程度)でも、長期的な保険料削減効果を考えると十分元が取れます。

Q加入中の保険を解約すると損をしますか?
A

掛け捨て型(定期保険・医療保険など)の解約は損失がほぼありません。貯蓄型(終身・養老保険)は払込保険料総額より解約返戻金が少ない場合があり、「元本割れ」になるケースもあります。ただし、元本割れになるとしても、その後も払い続けることで損失が拡大する場合もあるため、総合的に判断することが重要です。

Q子どもが生まれたら保険はどう見直すべきですか?
A

子どもが生まれたタイミングでは「死亡保障の増額」と「就労不能保険の加入」を優先してください。必要保障額は「子どもが独立するまでの生活費 + 教育費 + 住宅ローン残高 − 遺族年金 − 預貯金」で計算します。医療保険は子ども医療費助成制度(自治体によって中学・高校卒業まで無料)が充実しているため、子ども自身の医療保険は優先度が低めです。

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  • 2026.05.11公開

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